UR22mk2

1ヶ月前くらいから、私の使っているオーディオMIDIインターフェース「UR22mk2」から音が出なくなることがあり、先日完全に復旧できなくなりました。Yamahaスタインバーグ様のご助力をいただきながら解決できましたので、ご紹介します。




ことの始まり

ある日突然、モニタースピーカーから音が出なくなり、同時にモニターヘッドホンからも音が出なくなるという症状が出始めました。

つまり、UR22mk2からは音が出ず、その他のMac内蔵やHDMIモニターからは音が出るのです。

初めのうちは「再起動したら治る」程度だったので、それほど気に留めていませんでした。ところが……。

その症状は日々悪化していき、音が出なくなる頻度がどんどん増えていきます……。さらにMacそのものが落ちる頻度も増えて……。

先日、ついにMacを再起動しても全く復旧できなくなりました……。




Yamahaスタインバーグに問い合わせ

そこで、アップルなのかUR22mk2の製造元のYamahaスタインバーグなのか悩んだ挙げ句、現在問題が起きているのがUR22mk2のみだったので、Yamahaスタインバーグへ問い合わせを行いました。

実はここまでの間に様々な策を行っておりました。

スタインバーグのサイトにはまず

ドライバーのアンインストールと再インストール

という紹介がされており、音が出なくなる症状の多くは「ドライバーインストールの際に起きる、インストール許可の問題」が紹介がされていました。そしてそれを行って再起動することで、何度か復旧することがあったので、それで騙し騙し使い続けていました。

 

問い合わせの返答は「やはり、ドライバーインストールの際に起きる、認証の問題が挙げられる」とのこと。

 

でも……。

何度アンインストールとインストールを繰り返しても、環境設定のプライバシーの欄に「許可しますか?」が出ない……。(TT)

そこで「許可したかどうかが定かではなく、これを確認する方法はありますか?」とお聞きしてみると。

「許可内容を確認する方法はなく、PRAMのクリア、OSの再インストール。FirstAidでのディスク補修などをお試しいただけますでしょうか?」

というご返答があり。

「あ、FirstAidは気にしなかったなぁ……」と思い、FirstAidしてみると……。

  • 起動ディスクに何度やっても解決できない問題が発生

している……これはヤバい……。

早速バックアップを取り、有料音源などのライセンス解除可能なものはすべて解除して、起動ディスクをイニシャライズ。そしてTimeMacineで復旧。

この作業だけで約5時間。

5時間後……。

これで無事、起動ディスクの問題はすべて解決しました。しかし……。

UR22mk2から音が出ない問題は治らない……。

というか、完全に音が出ない状態になってしまい、むしろ何もできなくなってしまいました……。orz

こうなってしまうともう、OSの問題か否かを切り分けなくてはなりません……。

丁度先日、KOMPLETE12 ULTIMATEを購入したことで音楽ソフト用SSDが足りなくなっていたので、2TBのSSDを購入。

バッファロー 2TB SSD

こちらにすべての音源データをコピーし、元々音源用に使っていた1TBのSSDをイニシャライズ。そこにMacOSのみインストール。

つまり、完全にまっさらな状態のOSを作りました。

そして、UR22mk2のドライバーだけをインストール。すると……。

やっぱり音が出ない。

ここで「あ、やっぱりか」と思い、Yamahaスタインバーグに連絡。

そう。完全新規のOSにドライバーインストールで動かないのであれば、それはもうハードの問題(だと、この時は思っていました)。

なので「ハードの問題の様ですので、交換ハードをお送りください」と、Yamahaスタインバーグに連絡しました。※ギリギリ保証期間内なので助かりました……。




新たな問題が発生

「早く新しいハード来ないかなぁ……」なんて考えながら、Mac内蔵サウンドで作業を続けていました。

しかしあまりに音質が悪く、音のバランスが取れません……。どんなに作業を続けても、それが正しい保証がないのです……。orz

この時初めて「あ、オーディオインターフェースって大事だなぁ」と実感しました。^^;

しかし困りました……。それでも何とか作業は続けて……。

何気なしにUSBメモリーを接続し、ファイルをコピーしようとした時、

USBメモリーがマウントしない……。

「ん?」と思い、何度接続し直してもマウントしない……。不思議に思い、そのUSBメモリーをWindowsにつないでみるとちゃんとマウントする。

ここで新たな疑問が発生。

実はココ最近、USBキーボードを抜くと他のデバイスが認識するという経験をしており、私はこのとき「USBハブの電力不足」だと思っていました。

そのため、「USBハブを全てセルフパワーのものに交換」という対応を終えていたのです。

つまり、USBハブの問題の筈がない(と思っていました)。

なら、問題となる可能性は……

USBデバイスの最大数の問題なのではないか?

です。

しかし、昔USBが出始めた頃。確か「128個可能」みたいな売りだったことを覚えていたため、「そんな筈はないか……」と思いながらもネットを検索。

うん、やっぱり最大数は128個と出てきます。

ですがそこでさらに疑問に思ったのが

MacMiniの最大数は?

です。

もしかして、MacのみにあるUSBの最大数ってのがあるのかな? と考えました。




最大数だけじゃない

先に結果をお伝えします。※詳細は後述します。

  • 安全なUSBデバイスの最大数はおよそ24個前後。
  • より安全な数を言えば16〜20個くらい。
  • USB3ハブはUSB2のレイヤーを持っているので、USB3ハブを使う場合、接続数の倍と考える。

この3つ。詳細に解説しますので、覚えていてください。

まず、USB規格の話を。

  • 最大128個まで※理論上です
  • 階層(USBハブの数珠つなぎ)は6つまで※ハブ本体を含む

です。全然行けそうですよね。^^;

ところが

  • 実際には(理由はわかりませんが)20個くらいを超えると認識できなくなるらしい

という記事が複数ありました。

この事から、一旦「20〜24個になるようにすべき」と定義します。




USB3がUSB2と同居できる理由

USB3はUSB2と混在が可能です。これって普通の事だと思ってました。

ですが実際は、USB3ハブにはUSB2の機器が繋げられるように、USB2とUSB3のレイヤーを持っているのだそうです。

つまり

  • 4ポートのUSB3ハブなら、8ポートとして認識される。

ということ。

この事から、USB3ハブのみで構成した場合、ポート数の倍としてMacが認識するのだそうです。

一旦整理します。

  • MacMiniのUSBポート数4個

ここに全てUSB3のハブをつなぎ、最大数を接続したとします。この場合

  • 4ポート x 4USBハブ = 16個

ではなく。

  • 4ポート x 4USBハブ x 2レイヤー = 32個

と換算されるのだそうです。

ここで言う「2レイヤー」とは「USB3レイヤーとUSB2レイヤーの2つ」という意味です。さらに、USBハブ自体もUSBデバイスなので、それも1個と換算され

  • 32個 + 4ハブ = 36個

としてMacが認識します。

はい。この時点でとっくに最大数24個を超えており、故にどこかのUSBデバイスが認識できないとなるわけです。

そしてこれは経験則なのですが、どうやら「後から繋いだUSBデバイスはつながらない」というルールのようです。

つまりOS起動時、USBデバイスが接続認識したとして。その後、利用されていないものは一旦OSから切り離される様なのです。

そのため、最後にリクエストされるUR22mk2が認識されない。または最後に接続したUSBメモリーがマウントされない。という事の様でした。

ここまで分かれば対処は簡単!




解決方法

  • 4つのUSB3ハブを使っているのであれば、1つをUSB2ハブに変更してください。

もちろん、HDDやSSDなどの速度が必要なものはUSB3ハブに。そしてキーボードやUR22mk2(ケーブルがUSB2なのでUSB2で良いと判断)などの速度を必要としないものはUSB2ハブに移動します。

これにより、Macに接続されているUSBデバイス数は4個減少したとみなされ、計32個と換算されます。

  • これでも問題が起こるようであれば、もう一つ、さらにもう一つをUSB2ハブに変更してください。

2つのハブをUSB2に交換した場合は8個減少したとみなされ、計28個換算。これでほぼ解決しているはずです。※さらに解決しない場合は、一旦USBデバイスの接続数を減らしてみてください。これによりどこが問題なのかを把握します。

私の場合は

  • USB2ハブ2個 + USB3ハブ2個 = 28個換算
  • USBデバイスを厳選して、USB2ハブに7個(7個換算)。USB3ハブに7個(14個換算)
  • 計21個換算で安全圏に

の構成で

無事UR22mk2から音が出るようになりました!




ここまでを振り返る

「USBの最大数」と「最後にリクエストされるUSBはつながらない」というものを振り返った時、色々と思い当たる節がありました。

実は……

  • Macを再起動したらすぐに 環境設定→サウンド を開き、通知音名「Sosumi」とかを連続でクリックし、音を出し続ける。

というおまじないを行っていました。これを行うのと行わないのでは、起動後の成功率が異なるのです。

しかし、上記の理由からこれは正しかったらしい事がわかりました。

つまり

  • UR22mk2を連続で鳴らすことで、「UR22mk2は今使っているからOSから外さないでね」と言い続けていた。

ということなのですね。^^;

そして

  • 食事などでしばらくスリープしてから、再度作業を開始しようとするともう鳴らない。

という事がありました。これは、鳴らない時間(呼び出されない時間)が長かったため、その間に他のデバイスが接続を要求し、その時点では動いていないUR22mk2がOSから切り離されたと推測できます。

そして一旦切られると、UR22mk2は再接続リクエストがうまく行かないようなので、復旧できない。イコール音がならない。のだと思われます。※推測です。




Yamahaスタインバーグ様に感謝

ここまでこじつけるのにおよそ2週間を要しました。^^;

根気よくご助力いただいた「Yamahaスタインバーグサポート」様に感謝です。

ありがとうございました。m(__)m

※もちろんこの件もYamahaスタインバーグへ報告し、新規ハードはキャンセルしました。^^;

↓UR22Mk2の後継機種