今回はDAWを始めるために最低限必要なものを揃えたらいくらかかるのか? 何があればできるのか? をお話します。

DAW(DTMソフト)は何がいいの?

↑これよりも前に書くべきでした……話が前後しますがご容赦を……。^^;

 

DAWを始めるのに必要なもの

  • DAWソフト
  • オーディオMIDIインターフェース

このくらい。

むしろオーディオ入出力もMIDI入出力も必要ない方は、DAWソフトだけでOK!

ただ、一度オーディオMIDIインターフェースを使ってしまうと、その便利さから手放せない必須アイテムになってしまいますので、必要なものとしてオススメします。

そして、あると便利なものは

  • モニタースピーカー
  • モニターヘッドホン
  • MIDIキーボード
  • その他(マイク・楽器・音源・マイクスタンドなどなど)

このくらい。




DAWソフト

DAWソフトは前記事で書きましたので、そちらをご参照ください。

価格はまちまちですが、2〜7万円くらいの価格帯。とりあえずこれだけあれば始められます。私の使っているLogic Pro Xに関して言えば、基本的な音源やループなども含まれており、とりあえず始めたい方にとって、困ることはありません。

正直、初心者には暫くの間使いこなせないほどの機能や音源が備わっています。※最初から高いものを目指しても、使うのは一部だけだったりするのです。

つまり、「とりあえず」と考えるのであれば、DAWソフトだけあれば始めることは可能

そして、MIDIキーボードを追加したりすることを考えているのであれば、MIDIキーボードに付属しているDAWソフトである程度の事は可能なので、先にMIDIキーボードを購入してバンドルのDAWソフトを試すという選択肢もあります。※この場合は廉価版が付いてくるのでフルの機能を最初から使いたいのであれば、最初にDAWソフトが必要です。

※お使いのPCやOSの最低仕様の確認をお忘れなく。特に音楽関連ソフトはまだCatalinaに対応していないものが多いので、Mac使いは要注意!

まぁ……後々色々追加したくなり費用がかさむ事になるのですが、それはまた別のお話。




オーディオMIDIインターフェース

オーディオMIDIインターフェースとは、オーディオ(音声や楽器)を入出力したり、MIDIの入出力を備えたハードウェアの事です。

なので、オーディオを扱ったり外部MIDI機器を扱う場合には必須のアイテム。

たとえばバンドをやっていてボーカルを入れたり、ギターやベースなどの生楽器を入出力する場合は必須です。※DAW入力用のMIDIキーボードはUSB接続が多いので、MIDIキーボードのみ必要な場合、このオーディオMIDIインターフェースは不要です。

さらに、モニタースピーカーをつないだり、モニターヘッドホンを使いたいと考えるのであれば是非そろえておきたいもの。※Macのヘッドホン端子からだと音のクオリティーに不安。さらにヘッドホン端子の多くは6.2mmの標準フォンプラグなので、ミニプラグとの変換器が必要。

因みにこのオーディオMIDIインターフェースもUSB接続です。

様々な種類があり、こちらもかなり悩みました……。それぞれの大きな違いは

  • 扱えるデータ種
  • オーディオのInOutの種類と数
  • つまみの多さとコンデンサーマイク用の48V電源対応

です。

扱えるデータ種

これは 24bit / 192kHz などと書かれるオーディオの入力品質の事です。

bitとkHzが大きいほどに精度の高いオーディオを扱えます。

因みに音楽CDの基準は16bit / 44.1kHz。最近の音楽ストリーミングサービスではハイレゾを扱うことができ、こちらは大体24bit / 192kHzが最大。最近は32bitも存在しますが、どこまで追いかけるのか?次第です。

つまりハイレゾ配信を考えているのであれば、24bit/192kHzは踏まえておきたいところ。

オーディオInOutの種類と数

これは同時に入力できるオーディオInの数やMIDIのInOutの数の事です。

当然ですが、これが増えるほどに筐体が大きくなり価格は上がります。

つまみの多さとコンデンサーマイク用の48V電源対応

つまみが多いほどに扱いやすく、リアルタイムでギュッと調整できるので便利です。つまみの数はほぼオーディオINのゲインとオーディオ出力の数と同じ。そしてそれぞれのバランス(オーディオとDAWのバランス)、ヘッドホンとスピーカー出力のボリュームです。

他にもコンデンサーマイクなどの高価なマイクを利用する場合、ファンタム電源というものが必要です。

これは、ダイナミックマイク(Shure SM58など)には必要なく、コンデンサーマイクの場合に必要なものです。オーディオMIDIインターフェースにこのファンタム電源(+48V電源スイッチ)が装備されていない場合、そのインターフェースではコンデンサーマイクを使用することができません。

また、モニタースピーカーを利用する場合、モニタースピーカーのINにも気を配りましょう。DAW用に作られているモニタースピーカーの多くは6.3mm 2極のフォンプラグとXLRタイプコネクターの両方のINを装備していますので、使いたいモニタースピーカーに合わせたものが必要です。

モニターヘッドホンに関しては、6.3mm 2極のフォンプラグで共通だと思いますが、一応確認しておいてください。^^;

無いと困るオーディオインターフェース

実は先日、オーディオインターフェースから音が出なくなり、かなり困りました……。

↓その記事はこちら

UR22mk2から音が出ない!?(USB最大数の問題)を解決!

ずっと使い続けて慣れていた「いい音」が出ない。実はコレ、全く作業が捗りません。^^;

というのも、曲を作っている時はまだいいのですが、Mixし始めるととたんに何もできなくなります。Macデフォルトの内蔵音だと音が悪く、Mixが正しいのか正しくないのか判断できなくなるのです……。まぁ、モニターってのはそういう意味で使うのですが……。

なので、オーディオインターフェースは最初に導入をオススメします。




最低限の初期費用

で、初期費用のお話に戻しますが、「最低限」前提でお話すると

DAWソフト 2〜7万円

だけで始めることは可能。

オーディオMIDIインターフェース 1〜2万円

があるとなお良い。※オーディオ録音やMIDI入出力が必要なら必須。

という感じです。

因みに私が使っているのは

DAWソフト:Apple Logic Pro X 24,000円MacAppStoreで販売。

オーディオMIDIインターフェース:Steinberg UR22mkII

です。

因みにSteinberg UR22mkIIにはCubase AIというCubaseの簡易版がバンドルされていますので、UR22mkIIを購入予定の方は先にそれを使ってCubaseを試すという方法もあります。

↑これの最新版↓Steinberg UR22C。32bitが扱えます!ただし、パソコンとの接続はUSB3.0のみなので、本体が対応しているか注意!

とりあえず始めたい方はここで終わり。

 




あるとなお良いアイテム

  • モニターヘッドホン
  • モニタースピーカー
  • MIDIキーボード
  • その他(マイク・楽器・音源・マイクスタンドなどなど)

モニターヘッドホン

もちろん、普段から使っているヘッドホンでも良いのですが、「モニター」ヘッドホンは通常のヘッドホンと性質が異なります。

つまり、目的が違うという意味です。ちょっと一例を出しましょう。

私が使っているのは「MDR-CD900ST」。

少し高価なヘッドホンと変わらない値段ですよね? むしろもっと高価なヘッドホンやイヤフォンを使っておられる方も多いのでは?

ところがこれは「モニター」が目的のヘッドホン。

え? 「いい音って意味じゃないのか?」 なるほど……。

では「いい音」とはなんでしょう?

一般的には「様々な音がバランス良く聞こえる」。または「心地よい音に感じる」などなど、一言で「いい音」とは言い切れず、色々あると思います。

実はよく使われるこの「いい音」。人によって感じ方が異なります。

故に、ある人にはAというヘッドホンがとても良い。でも別の人にはBというヘッドホンの方が良いと感じる。

細かく言うとスピーカーの構造云々や頭の形に頭蓋骨がどうの……などを書かなくてはならないのですが、ここでは割愛します。^^;

実はこの「モニターヘッドホンって違うんだ」と思ったのは、実際にMDR-CD900STが届き、使ってみてすぐの事。

これまで作っていた曲をモニターヘッドホンで聞くと

  • コーラスがかかりすぎている
  • リバーブがかかりすぎている
  • 音程がずれて聞こえる(音源の問題)

などなど、多くのことが判断出来るようになります!

「あれ? あれれ!?」ですよ……。w

つまり、これまで使っていたヘッドホンでは聞き取れなかった音が聞こえるようになる

これこそがモニターヘッドホンの利点。

なので、初期費用として是非入れ込んでいただきたい一品です。

別にSONYに限る必要はないのですが、このMDR-CD900ST、テレビや動画で見たこと有りませんか?

これは、SONYとスタジオが共同開発した「プロ機材」です。最初は一般流通していませんでしたが、ある日突然一般流通が始まり、入手することができるようになりました。

そのため遮音性能がとても高く、ヘッドホンしながら音声録音や楽器の録音を行うのに適しています。

現在MDR-CD900STの後継機種も出ているのですが、個人的には最初にMDR-CD900STが欲しかったという、憧れの機種でもあるのです。^^; それは今後、この機種をベースとして次のモニターヘッドホンを判断する事ができるという、モニターヘッドホンの基礎となりうるという思いもありました。

※AKGは「AKAGI(日本のメーカー)」ではありません。ドイツのメーカーで「アーカーゲー」と読みます。^^;

モニタースピーカー

価格帯はピンキリ。オススメはペアで3〜5万円のものを。最初はこのあたりの価格帯で問題ないでしょう。

「モニター」という名前から想像できると思いますが、先のモニターヘッドホンと同じ理由で使います。

基本的にはモニターヘッドホンだけでも問題有りません。ただし、MDR-CD900STなどの遮音性能が高いヘッドホンは長時間使用していると耳が痛くなります。

そのため、長時間作業するにはモニタースピーカーがあったほうがより良いです。

私が使っているのは「YAMAHA MSP3」。

こちらもMDR-CD900STと似た理由がありまして……。

元々モニタースピーカーの名機、「YAMAHA NS-10M」というのがありました。どのスタジオでも見かける有名なもので、小さな筐体ながらも細かい音を表現してくれる名機なのですが……すでに販売終了しております……。orz

で。それに代わるものを探していたところ、いくつかのスピーカーに行き当たりました。

YAMAHA パワードスタジオモニター HS5(ペア)

YAMAHA HS7 パワードスタジオモニタースピーカー×2本

YAMAHA ヤマハ / MSP3 モニタースピーカー(ペア)

YAMAHA MSP5 Studio ペア

この4本です。

初めは白いコーンがNS-10Mを彷彿とさせるHSシリーズに心惹かれたのですが、色々調べていたら「HSよりもMSPの方が良い」というコメントを多数発見。

さらにMSP5の評価がとても高く、MSP5一本に絞ろうと思ったのですが……。

高すぎて手が出ない……。^^;

そこで、同時に評価の高いMSP3にしました。

使ってみたところ、やはり音の解像度(分解能?)が違います。決して「いい音」ではありません。試しにMSP3でゲームをやってみたところ、とても貧弱な音に感じます。むしろ1,000円のスピーカーの方がいい音に感じました。

ところが、DAWに限っては全く逆。1,000円のスピーカーでは調整後の音が出るので、細かい音は聞こえません。ところがモニタースピーカーならより細かいバランスを聞くことができるのです。

MIDIキーボード

こちらも価格帯が広く、3,000〜30,000円程度。

ミニキーボードとフルキーボード、そして鍵盤数などが大きな違いです。

こちらは別記事でご紹介します。

@NOTES MIDIキーボードが欲しくなる(KORG MICROKEY AIR-37編)

@NOTES MIDIキーボードが欲しくなる(M-AUDIO KEYSTATION61 MK3編)

 




希望的な金額

さて、ここまで色々書きましたがまとめます。

とりあえずなら

  • DAWソフト:2〜7万円

で初められます。希望的に言えば

  • オーディオMIDIインターフェース 1〜2万円
  • モニターヘッドホン:2〜3万円
  • モニタースピーカー:3〜5万円
  • MIDIキーボード:1〜2万円

計:2〜19万円

です。^^; つまり何を選ぶか、どこまで必要かによって初期費用は大きく異なります。

最初のアイテムとしてDAWソフトが必須ではあるのですが、MIDIキーボードやオーディオMIDIインターフェースに付属しているDAWソフトがあるので、先にMIDIキーボードやオーディオMIDIインターフェースを購入するという選択肢もアリです。

DAWソフトに悩むならこちらをどうぞ。